大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

横浜地方裁判所 昭和59年(わ)542号 判決 1984年5月29日

裁判所書記官

佐藤昭二

本店

横浜市旭区左近山一九九七番地

株式会社富士ソフトウェア研究所

右代表者代表取締役

野澤宏

本籍

神奈川県藤沢市片瀬目白山二番

住居

同県同市片瀬目白山二番二七号

会社役員

野澤宏

昭和一七年五月一七日生

本籍

東京都墨田区向島一丁目一番地

住居

神奈川県足柄下郡湯河原町鍛治屋八六五番地の一

神奈川県住宅供給公社住宅二-二五八

会社顧問

野澤喜平

明治四一年三月一四日生

右の者らに対する法人税法違反各被告事件について、当裁判所は、検察官高橋邦郎出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社富士ソフトウェア研究所を罰金二、〇〇〇万円に、被告人野澤宏を懲役一〇月に、被告人野澤喜平を懲役一年に処する。

被告人野澤宏及び被告人野澤喜平に対し、この裁判が確定した日から二年間、それぞれその刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社富士ソフトウエア研究所は、横浜市旭区左近山一、九九七番地に本店を置き、コンピューターソフトウエアの設計、製作、販売等を目的とする株式会社であり、被告人野澤宏は、同会社代表取締役として同会社の業務全般を統括しているもの、被告人野澤喜平は、同会社取締役として同会社の経理事務等を掌理しているものであるが、被告人野澤宏、同野澤喜平の両名は、同会社の業務に関し、法人税を免れることを企て、共謀の上、架空の給与手当、交通費等を計上して、これによって得た資金を簿外預金にするなどの不正な方法により所得を秘匿した上、

第一  昭和五五年四月一日から同五六年三月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が四、七六一万七、六九六円で、これに対する法人税額が一、八〇六万一、八〇〇円であるのにかかわらず、同五六年六月一日、同市保土ケ谷区帷子町二丁目六四番地所在の所轄保土ケ谷税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一、一二二万八、八一〇円で、これに対する法人税額が三五〇万六、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により法人税一、四五五万五、六〇〇円を免れ

第二  昭和五六年四月一日から同五七年三月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が一億四、六八六万九、〇三一円で、これに対する法人税額が六、〇五七万一、四〇〇円であるのにかかわらず、同五七年五月二四日、前記保土ケ谷税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が八、九〇九万五、九一〇円で、これに対する法人税額が三、五二四万六、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により法人税二、五三二万五、〇〇〇円を免れ

第三  昭和五七年四月一日から同五八年三月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が一億七、四七八万七、九一〇円で、これに対する法人税額が七、二一八万八、〇〇〇円であるのにかかわらず、同五八年五月三〇日、前記保土ケ谷税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九、〇〇五万二三二円で、これに対する法人税額が三、六五九万八、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により法人税額三、五五八万九、六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

被告人野澤宏及び被告人野澤喜平の当公判廷における各供述のほか、検察官請求証拠等関係カード番号2ないし8、10ないし13、16ないし19、21、23ないし30、34ないし73記載と同一であるから、これを引用する。(編者注・省略)

(法令の適用)

一  罰条 法人税法一五九条、一六四条一項、刑法六〇条

二  併合罪処理 刑法四五条前段、四八条二項、四七条本文、一〇条

三  執行猶予 刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 福嶋登)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例